つながるをつくる。株式会社グラコネつながるをつくる。株式会社グラコネ

勝手にGracone対談

勝手にGracone対談

森若 幸次郎

実業家・教育者・イノベーションプロバイダー

日本史上最年少 大学客員教授。
ハーバードビジネススクールPLD(Program for Leadership Development)を日本人最年少で修了し、スタンフォード大学経営大学院でM&A、シドニー大学で経営学を学ぶ。現在、シリコンバレーをはじめ、国内外のスタートアップ企業等へ経営アドバイスをしている。宇宙・医療・教育・芸術産業の活性化を推進し、全国各地でイノベーション創出を目的としたワークショップやリーダーシップセミナー等を開催する傍ら、海外の学会等でもスピーカー、パネリスト、スタートアップピッチのジャッジや、イベント司会なども務めている。医療機器開発をドイツ人エンジニア等と共同で行い、国際特許出願中である。

著書:ハーバードのエリートは、なぜプレッシャーに強いのか?(学研プラス)

株式会社シリコンバレーベンチャーズ 代表取締役社長 (兼) CEO 
株式会社モリワカ 専務取締役(兼)CIO
山口大学 客員教授

木村アリサ祐美

Meitu日本総責任者

日本語、中国語、英語のトリリンガルで、日中米で教育を受け、アメリカと日本及び中国のテック業界にて活躍中。大学入学前から、上海にて不動産コンサル、翻訳、会議通訳関係の業務に3年間携わり、関西学院大学の法律学部在籍中の頃からバイオテクノロジーおよびハードウェア業界におけるいくつかの国際的なM&A案件に参加。大学卒業後米国でファイナンス、及びシリコンバレーにてVC、コンサルティング事業を展開など、グローバルかつ多様な市場・文化での豊富なビジネス経験を有する。 2013年関西学院大学法学部を卒業し、スピネーカー・パートナーズ(SPI)のパートナーとなり、ベンチャーキャピタル事業を立ち上げた。2016年世界中の女子なら誰でも知っているアプリBeautyPlusを開発したMeitu社の日本総責任者として就任。

日本が目指すべき アントレプレナーシップ(起業家精神)を語り尽くす!

藤本真衣

今回のグラコネ対談のテーマは、ずばりアントレプレナーシップ。対談者に日本史上最年少の国立大学の客員教授であり、医療機器イノベーション企業の経営をはじめ、国内外の企業のCMOや顧問、アントレプレナーシップやイノベーション等の講演で企業や大学から引っ張りだこの森若幸次郎(ジョン)さんと、超有名カメラアプリ「BeautyPlus」などの開発・提供を行うMeituの日本総責任者、木村アリサ祐美さんを迎え、起業家必見の熱きアントレプレナーシップやリーダーシップ論を語って頂きたいと思います。それではグラコネ対談スタート!

ジョン

唐突だけど、最近、スティーブ・ジョブズ(アップル創業者)って神化されすぎていると思いませんか?確かにジョブズは世界を変えた。スマホのおかげでアプリは沢山作れるようになった。シリコンバレーからユニコーン企業〔企業としての評価額が10億ドル(約1250億円)以上で、非上場のベンチャー企業〕も沢山生まれてきた。世界はかなり便利になったけど、人々がより幸せになったかって追求はされていないと思います。ジョブズは良いアントレプレナーであったけど、良いリーダーだったのでしょうか。私は、世界中の人々を幸せにする経営者が沢山増える事で、日本発グローバルイノベーション企業の役割はここにあるんじゃないかと思ってます。ひとつの会社が大きくなって世の中のためになるようなことをするより、100社が世の中を良くするイノベーション企業になる。そちらの方が日本の目指す道ではないでしょうか。

木村

すごく共感できます。一気に世の中のための会社になることは難しいけれども、目標をもって徐々に成長していくべきですよね。会社を経営する人ってパワーはあるけど、人間性としては欠落している人もいるのが事実。そういう人もいることを念頭に置いて、いいチームをつくって仕事をすれば、いい方向に進むはずだと思う。

ジョン

事業の成長と共に、人間的にも成長出来、社会に還元出来れば最高です。特にグローバルビジネスでは、最低限のグローバルな教養は必ず必要です。レディーファースト等、紳士的な心のゆとりがあるビジネスマナー。相手の話をしっかり聴きながら、自分の意見をしっかり伝えるプレゼン力。そのコミュニケーション能力に加えて、人間的な魅力は芸術を愛する事から生まれる気がします。成功者は絵を買うことが多いですね。絵や音楽などの芸術に感動したり、感謝出来る事は、人の痛みや弱みを理解出来て、受け入れることの出来るキャパの大きな人間です。祐美さんは絵などの芸術にご興味ありますか?

木村

絵を買うと言うより、よく描きます。小さい頃、田舎に住んでいた時期があって、花に囲まれているとそれだけで幸せな気分になってた。それが影響しているんだと思います。マイケル・ジャクソンの歌に花を持って銃を問えるっていうような歌詞があったけど、花は平和の象徴。心を幸せにします。リーダーシップといっても、パワーだけじゃダメですよね。リーダーとマネージャーは違います。カリスマ性というか、何か魅力があるからその人についていくんじゃないかと思います。

起業すれば社長にはなれる。でも、マネージャーのような性質の社長もいる。マネージャーは、リーダーではない。

ジョン

よく勘違いされていることですが、リーダーというのは自分からなるものじゃないですね。自分がリーダーになると決めても皆が賛同してフォローしてくれないと真のリーダーにはなれない。周囲にいる人を見れば、中心にいる人の価値って判りますね。

木村

そう。マネージャーって会社から与えられている権限なだけ。マネージャーは、仕事に失敗があれば誰かのせいにしてクビにする人。リーダーは、周りの人を巻き込んで一緒に成功していく人だと思います。

藤本真衣

そういうリーダーには、どうやったらなれるんでしょうね?

ジョン

人は人によって磨かれると思います。MBAではビジネススキルは身に付きます。その後に必要な事は、世界中のリーダー同士から共に学ぶ事です。ハーバードビジネススクールは、他校のエグゼクティブMBAとは、すこし違うPLD (Program for Leadership Development)と「人間性を重視したリーダーシップ」を培えるエグゼクティブコースがあります。PLDの受講者の平均年齢は約42歳です。日本の40代にグローバルなリーダーシップスキルやアントレプレナーシップのマインドが身に付けば日本は大きく成長出来ると信じております。

木村

本の場合は経験重視なことが多いですよね。入社した時、一見どうでもいいようなことをさせるのも独特。例えばトイレ掃除とか。その時間にエクセルの使い方とか勉強すれば仕事がもっとはかどるのに(笑)

ジョン

僕の場合掃除は組織の人材育成にとってとても大切なことだと思っています。株式会社モリワカでは、毎朝みんなで15分間やるようにしています。社内だけではなく、会社の外回りも掃除しています。近所の人に朝の挨拶をしながらやっているんですけど、スゴく楽しいですよ。朝の澄んだ空気と青空を眺めながら。ちょっと古くさいと思われるかも知れないけど、地域に密着しながら、ここで仕事させて頂き有難うございます!みたいな気持ちをもってやる。この感謝の心って大切ですね。掃除すればする程、街は綺麗になります。さらに美しい世の中を作りましょう。そして、良い事をし続けていれば、世の中は必ず良くなります。世界はすぐに変えることができなくても、自分の周りを変えることはできると確信しています。

藤本真衣

私は2人の性格をよく知っているのでこれらのコメントは個性が出ていてとても面白いですね。祐美は祐美らしい、ジョンはジョンらしい(笑)”掃除”に関しては自分のスキルの成長という目線と、組織や人材育成という目線。どちらの目線から見るかによってどうすべきか変わりますよね。ジョンさんのお話を聞いていて近江商人の”三法良し”という考え方を思い出しました。例えば、商売をして利益がでたら、橋を架けて帰るとか。そうやって、遠回りで無駄に見えるけど、実は人間関係を構築する為には実はとても大切な事。私は昔ながら日本にあるこのような精神ってとても大切なことだと思います。私はこのような日本らしい考え方も含めたリーダーシップ性をつけていきたいな。

木村

また、別の問題点として、今の40代の話で言えば、自分の領域でしか仕事ができない人が多いように思います。少しでも担当外のことになると、自分の仕事ではないというような言い訳ばかりして、何年も同じ仕事に携わっているのに、その間、学ぼうと思ったことはないんですかね?年よりも、スキル重視、将来性重視の会社がいっぱい増えれば、日本ももっと元気になれるし、今以上に世界にいい影響を与えられるはず。そして日本は落ち込んでいる人が多過ぎますよね。社会の問題でもあるけど、社会って単純に人の集まりで形成されているものですからね。一人ひとりが変われば、世の中って簡単に変わると私も思います。そのために人は強くならなくちゃ。

木村

例えば、会社で不祥事が起きたとしたら、会社のトップが辞任する。このシステムが私は嫌いです。失敗したら、その分を取り返さなきゃ。辞めちゃダメ、辞めさせちゃダメ。責任放棄の一種だと思います。失敗したら二度とそういう仕事ができなくなるって思えば、大胆なこともできないし、イノベーションも減ると思う。社会はもっと失敗を許す、第二のチャンスをあげるべきじゃないかな。

ジョン

確かにリーダーだけが責任を取るっていうのは日本の悪い風習ですね。リーダーが腹をくくったら、部下もみんな腹をくくらなきゃ。みんなで責任を取らなきゃ。どん底に落ちても這い上がっていかなきゃ。同志がいれば、どんな状況下でも、必ず、解決策を見いだして、ビジョンを共有し、才能を掛け合わせてイノベーションを興していける。

IPOって古い!上場!起業!MVAとか古い!社員の気分をまず上々にしましょう!

ジョン

シリコンバレーの良さは、世界中から優秀な人が集まっていて、世界最高峰のビジネスプレゼンをする場所です。住み着くこともスゴく大事ですが、今の時代、日本とアメリカだけではなく、世界中のドコへでも行ったり来たりしてグローバルイノベーションを加速して行く事が重要ですね。

ジョン

海外によく居ますが、どこの国でも日本食を食べてます(笑)。日本に帰国したら、やはり生まれ育った国だけあってホッとした安心感があるけど、羽田か成田空港に着いた瞬間に、あ、マズイ、安心してはいけない、アメリカに戻らないと!と最先端の場所に行かないと置いてけぼりになるっていう焦りがあります。祐美さんはそのような焦りの感覚になることありますか?

木村

あるある!日本と向こうじゃノリが全然違う。こっちで仕事が終わるとあぁ疲れたってなるけど、アメリカだと次は何をやろうって元気になります。将来子どもができたら、昼はアメリカの学校で教育させて、夜は日本のベッドで眠らせたい。どこでもドアがあったらいいのに(笑)

ジョン

裕美さん、それスゴく面白くて良い表現ですね(笑)。スタンフォードの近くに家を建てても、子どもをスタンフォードに入れることはスゴく競争が高く、難易度が高いです。東大の近くに家を建てても、子どもが東大に入ると決まったわけじゃない。子どもには自由を与えて、プレッシャーのない環境で育てた方が良いのではないでしょうか。もう偏差値とか気にする時代ではないですからね。世の中は、売上の数字を見過ぎ、偏差値を見過ぎ。これからは、良い会社かどうか。良い人かどうかの方が大切な時代だと思います。
それに、IPOとか古くさいと思うんです。確かにチャンスは広がります。でも誰が幸せになるのでしょうか?起業!MVA!上場!そんな言葉だけが飛び交っていては、いつまでも日本は遅れたままだと思います。

木村

上場するとみんなに期待されるじゃないですか。でもそれに応えられないと気分が落ち込む。上場は、会社が大きくなる方法の手段の一つで、最後の目的ではない。世の中は、それを勘違いしている会社が多い。何のために上場したの?いい会社になって、最初はまず社員を幸せにしなくちゃ、会社の継続成長をさせなくちゃ。

ジョン

会社を上場したら、誰よりも先に社員の気分を上々にしましょう(笑)

 
三人 ・・・。
藤本真衣

今、ICOが注目されていますよね。いわゆる、仮想通貨上場。これまで公開前のベンチャー投資は情報を知っている限られた投資家だけでしたが、ICOはあらゆる人に開かれていると言う特徴や、インターネットを利用すればどこでも資金調達を行うことができるという特徴があります。現地通貨ではなく、ビットコイン(BTC)やイーサ(ETH)など仮想通貨で行われるので場所の制約は低くなっていきます。IPOは古いってジョンさんがおっしゃいましたが、最近急によくそのセリフを耳にするようになってきました。時代が変わってきているのを肌で感じます。面白いですよね。そこまで行き着いていない私が言うのもなんですが、IPOを最終目的にしてしまうのは本質がずれているなとは思いますよね。お二人のお話を聞き、リーダーは起業した後も心構えが大切なんだということを改めて考えさせられました。本日はどうもありがとうございました!

 
左から:森若 幸次郎 藤本真衣 木村アリサ祐美 Photo by Kota Hamaguchi

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