つながるをつくる。株式会社グラコネつながるをつくる。株式会社グラコネ

勝手にGracone対談

勝手にGracone対談

篠原裕幸

Co-Founder and COO of SIVIRA Inc.

6歳の時、自宅にあった Macintosh に出会い、コンピューターでものを作る喜びを経験する。11歳の時、テレビで見た Netscape と、Marc Andreessen が起こした革命に強い衝撃を受ける。そして、中学生時代。アメリカ西海岸を訪れ、後にドットコムバブルと呼ばれる現象を目の当たりにする。その時、テクノロジー業界での起業という生き方を決意する。帰国後、ソフトウェアの開発に没頭。19歳で起業し、モバイルアプリ、クラウド、IoT 等複数のスタートアップに携わり、日本、シンガポール、台湾、アメリカで起業をする。
現在は、2013年に立ち上げたビットコイン関連ニュースサイト BitBiteCoin.com をきっかけに、ビットコイン及びブロックチェーンの事業に力を注いでいる。ブロックチェーン研究開発スタートアップ SIVIRA Inc.の共同創業者。
Airbnb で暮らすホームレスでもある。あと、エヴァンゲリオンの記事が人気。

今井崇也

フロンティアパートナーズ 合同会社代表CEO、United Bitcoiners Inc. 共同創業者&取締役CTO

1980年新潟県生まれ。新潟大学大学院にて素粒子理論物理学で博士号(理学), Ph. D. を取得。カカクコム株式会社、BizMobile株式会社にて、検索エンジンの開発/サーバ運用、R&D、大規模データ分析、データ蓄積システム構築などを経験。2014年4月、フロンティアパートナーズ合同会社を設立。現在代表CEO&創業者。United Bitcoiners Inc. 共同創業者&取締役CTO。データタワー株式会社 代表取締役。株式会社ブロックチェーンハブ技術アドバイザー。一般財団法人ブロックチェーン技能認定協会アドバイザー。

ビットコインの夢を創る男とビットコインで時計の針を早く進めたいと願う男をグラコネ!

藤本真衣

今回のグラコネ対談は、ビットコイン・ヒト・AIが共存する未来を描くブロックチェーン研究開発スタートアップSIVIRA Inc.共同創業者の篠原裕幸さんと、唯一のビットコイン技術書と言われる『Mastering Bitcoin (Andreas M. Antonopoulos(著))』の翻訳を手掛け、今年1月にマイクロペイメントに特化したUnited Bitcoiners Inc.を設立したばかりの今井崇也さんをグラコネします。お二人の願いや夢が、より現実味を増したこの時期に実現した対談。どんな話が飛び出てくるのか楽しみで仕方ありません!それではグラコネスタート!

未来のジェフ・ベゾスたちへの想い

今井

2014年の12月頃から、誰に言われるでもなく勝手にやっていたんです。『Mastering Bitcoin』自体はネット上で公開されていたので、自分の勉強も兼ねてGitHub(オープンソースプラットフォーム)で翻訳をしてました。単に読むだけではなく日本語に翻訳することでより深く理解できると考えたんです。また、インターネット上に翻訳を公開しておけば他の技術者も読めるので、すそ野も広がるだろうと。元々出版するつもりはなかったので、書籍になったことは本当に有難かったです。
日本語翻訳をするにあたり、ジョナサン・アンダーウッドさん(ビットバンク株式会社CBO)にいろいろ技術的な質問をさせていただき大変お世話になりました。鳩貝さんをはじめ、日本の様々なビットコイナーの協力の元に『Mastering Bitcoin』日本語訳は完成しました。

藤本真衣

『Mastering Bitcoin』作者のアンドレアスさんって世界的に有名な方ですよね。

今井

『Mastering Bitcoin』の作者であることが一番有名ですが、彼はギリシャの人で、元々はテクノロジストなんですよね。ビットコインの仕様というのは英語でどんどん進んでいくので、一般的な日本人からするとどこかで一度日本語として纏めないと読む気がしない。しかもビットコインを信用してもらうには、正式な出版社から出し物理的な本が書店に並ぶということが重要なんです。そんな思いもあって偶然にも出せたのが『Mastering Bitcoin』日本語訳の書籍なんです。ちなみに、オープンエディション版pdf (https://www.bitcoinbook.info) もフリーでダウンロードできるので、お金をあんまり持っていない10代の方でも技術を得たい知りたい人はお金を払わなくても情熱で習得できますよ。ビットコインに関するビジネス書は何冊かありますが、この技術書をきっかけにして日本の技術者と面白いことがいっぱいできればと考えています。

藤本真衣

ビットコインのもっと面白いサービスやコンテンツが、どんどん生まれて欲しいですね!

篠原

僕が手掛けている『BitBiteCoin』(http://bitbitecoin.com/)というサイトがありまして、それを今まさにリニューアルしています。今井さんが先ほど言ったことと繋がるのですが、このサイトを通じ、目先のビットコインではなく、ビットコインを使って社会がどう変わるかということを考え、発信しています。『BitBiteCoin』の読者は、25年30年前で言うところの「インターネットとは何か」を調べた人たちだと思っています。例えば、インターネットの概念やブラウザーの使い方を理解しようと努めていた人たち。僕達の発信する情報を真剣に読んでくれていたり、聞いてくれたりする人の中に、マーク・アンドリーセン(Netscapeの創業者)やジェフ・ベゾス(amazon.comの創業者)がいると考えています。

篠原

今井さんが和訳した『Mastering Bitcoin』を読んだ人たちもそうですが、ビットコインに興味を持ち社会を変えようとする人、つまり次のマーク・アンドリーセンやジェフ・ベゾスがこのコミュニティーから生まれてくるので、単にお金の話だけではなく、この技術によって世界が変わるんだということを発信していきたいです。

今井

私は、そういったメッセージとして“あとがき”に『世界の時計を一秒でも早くできれば』と書きました。そういったことが本当に起これば素晴らしいですよね。

 
(篠原・藤本)やばい、今井さん、かっこいい!!

すぐそこにあるマイクロペイメント社会

今井

今後、企業が出すデータベース上のポイントではなく”現金”であるビットコインによるマイクロペイメントは確実にできると考えていて、恐らく2年3年でそういった社会が部分的にくると思います。技術的には、すでにライトニングネットワークという技術名でテストが行われていて、私もこのオープンソースプロジェクトでの開発に参加しています。しかし、社会の仕組みが追い付くかが分かりません。そうなった時にこの社会がどう変わっていくのか?もしくは、どう変わっていくのが理想なのか?そこを話したいと常々思っていたんです。

篠原

僕はよく空想するのですが、そのひとつに政治をマイクロペイメントによって置き換えることができるのではないかという考えがあります。政治というと括りが大きすぎるので、もう少し判りやすくすると、例えば、道路を修繕するといった道路工事。自動運転の車は、充電中にビットコインのマイニング(採掘)をする。そのお金を持って、町へ走り出し、子供が病気であれば信号機や前後の車に少額決済(マイクロペイメント)をして道を開けてもらい、早く病院に着くようにします。そうやって支払われた仮想通貨を世界中の信号機がDAOを形成して運用するはずなんです。ファンドとして集めて道路修繕事業をする。ひび割れた道や崩れた橋を渡れないといった事象を自動運転の車から収集し、その重要度によって工事業者に発注される。その積み重ねによって、中央政府や人間が介在する必要性を無くし、自動運転の車とAIとそれらをつなぐマイクロペイメントによって、より良い判断が下される社会が来ると思っています。

今井

それは興味深い話ですね。政治の大きな仕事のひとつは、お金をどう使うか決めることです。政治家は、もちろん全部の能力を保持しているわけではないので、いろんな人が知恵を出し合っていくほうが良い。ただ、今の政治の仕組みだとなかなか難しいのがリアルなので、確かにそういったAIやマイクロペイメントからくる話は面白いですね。

篠原

病院のケースでも考えてみましょう。どの患者さんを先に見るのか優先度を決めるひとつの指標にも、マイクロペイメントが役立つと考えられます。単純なお金を支払うことによって早く診てもらうことだけではなく、もちろんメディカルセンサー等で優先度のチェックもするのですが、優先度が同レベルの患者も多いと思うんですね。そんな時、どちらの方が優先されるかというのはマイクロペイメントによって培われた信用の蓄積だと思っています。
例えば藤本さんは、KIZUNA(ビットコインで支援先に寄付をするプロジェクト)をやっている。藤本さんによって助けられた人がいるという事実は、ブロックチェーン上にトランザクションヒストリーとして載るわけです。このあたりのスコアリングで最終的に社会的な重要度の判断がなされ、病院での優先度に繋がる社会がくると考えられます。
また、高齢者に席を譲ったり、身体の弱っている人のバイオセンサーから信号を受けた場合に手助けをすることで信用度が高まるような仕組み。言葉を話せないロボットやAIが、困っている人を助けてあげたりすることによる「ありがとう」の変わりがマイクロペイメント。つまり、マイクロペイメントは単なるお金の支払いではなく、人間とロボットとAIを繋ぐ一種の言葉・言語にもなり得ると思います。

より良い生き方・働き方もマイクロペイメントによって変えていきたい

今井

人間が働くといった場合の収入について、今は大多数が時間をお金に換えています。みんながある場所(企業・施設など)に固まって、例えば電車に乗って集まるのは、会社に拘束されることで、それによって収入を得て生活しているので仕方がないのですが、人間の本質で言うと、集団や社会、地域のコミュニティーがベースにあるべきだと思うのです。それをベースにして、技術者以外に対しても働く場所によって縛られないというだけでなく、各自にとって心地よく感じる仕事をやるというのが本来の姿だと思います。汎用AIがどうなるかは別にして、今後は、AIによって仕事がどんどん効率化されていきます。他方で、そうなることで仕事を失い収入口がなくなることも考えられます。そういった部分にもマイクロペイメントは役立つのではないでしょうか。先ほどの自動運転の車の話であったり、店舗が個人に広告費をマイクロペイメントで支払うといったことで解消される未来がくるのではと。
特に、自動運転は別の意味でも面白いと思っていて、例えば交通渋滞の緩和にマイクロペイメントが効果を発揮すると思います。早く行きたい人はゆっくり行きたい人に少額を支払い、道をあけてもらうわけです。10円程度のお金をいちいち人同士がやるのは面倒ですが、これを車同士に自動的にやらせる。ビットコインであればシンプルなスマートコントラクトで逐一の個人間支払契約をプログラマブルにできるため手数料を極めて低くでき、少額のビットコインがP2Pネットワーク上をガンガン飛び回ることができます。ビットコインではありませんが、これに似たことはすでにシンガポールで行われていて、市街中心地での交通渋滞の緩和に効果を発揮しています。
しかも、ビットコインは企業が出しているポイントではないので、コントロール権限はすべて個々人にあり、いかようにでも貯めて制限なく使うことができる。個人が直接広告費を受け取る未来では、例えばGoogleが推進しているPhysical Webのプロトコルを使って移動をするだけでスマホに少しずつお金が貯まっていく。まあ一般の人がいちいち何ビットコインあるかを意識しているのは面倒なので、ビットコインが飛び回って貯まっていくということを人々は意識する必要はなく、何か価値あるものが車やスマホなどに貯まっていって別の支払いにも使えるという感じになるとは思うんですけどね。ただ、この際に匿名性というのはある意味重要な要素で、見ず知らずの人に10円程度ちょっと払っただけでその人から追跡される可能性があるというのを気味悪く感じる人もいます。トランザクションヒストリーは今まで以上に残るようになると思いますが、プライバシーを守るために匿名にしたい人は匿名にできるようにするというは必要かもしれません。いずれにしても、今後はこのような感じでマイクロペイメントによる副収入が貯まっていって、それを使っても生活できるような世界になるのではと。

篠原

まさに、僕が仮想通貨で描く一番良い未来が、仕事を失うといったことを通り越して、人間が働かなくてもよくなることなんです。

今井

ですね。経済学とは元々、どうやったら人々はあくせく働くことなく心地よく仕事をして暮らせるかを考えるものだったと思っています。経世済民ですよね。現在の経済状況の分析や今後の動向分析ではなく、人間のあるべき姿を技術で如何に実現していくかも経済学のやるべきことなのではと思います。

篠原

IoT(Internet of Things)とその先にやってくる未来により、労働や社会は、1兆10兆のデバイス(AIやロボット)が担当して作っていき、70億程度の少数な人間はベーシックインカムや仮想通貨による収入を得て、言い方が適切かはさておき、ペットのようにただただ幸せに個人がやりたい事をし、考えたりして過ごせるのではないかと思います。

今井

そうなるとひとつの問題が浮上します。それは、人間がマイクロペイメントやベーシックインカムによって収入を得るというルールを先に作る必要性です。その仕組みが後になってしまうと、人間の収入・生活を無視した社会を作ることになる。

篠原

確かに!人間が先に収入を得る方法を確立しないとAI・ロボットの作る社会で、人間は生きていけなくなってしまいますもんね(笑)

藤本真衣

マイクロペイメントが未来に関わること、一端を担うことの重要性について、改めて考えさせられますね。

グラコネ対談が未来に繋がる一助になれば

藤本真衣

ここのところ、このグラコネ対談が、すごく充実しているんですよ。今回の今井さんや篠原さんはもちろんのこと、先日ご出演いただいたアーティストの真鍋大度さん、イノベーションプロバイダーの森若幸次郎さん、Meitu日本総責任者の木村アリサ祐実さんなど、まさに今を活躍する方々を繋げられているんです。

今井

すごくいいですよね。とても面白く、興味深いことです。

篠原

僕は、科学者やアーティストと身近に話せるし、とても可愛い山本宝さんとも話せてすごく楽しいです。

今井

いいですね!篠原さんとの対談も楽しいですが、次は女の子と対談したいです。ぜひ企画してください(笑)

篠原

グラコネ対談は、当人の素も出ているし、他の情報メディアとは視点が違うと思います。ビットコインが社会に浸透するためにもぜひ続けていって欲しいです。

藤本真衣

私たちがビットコインやマイクロペイメントによって可能になる社会を発信することにより、未来の起業家たちが刺激を受けること、また枠組みやルールの作成も大切であるということを改めて理解しました。私もこのグラコネ対談を通じて活動を充実させていく必要性を感じ、モチベーションを高めることができました。本日は楽しいお話をどうもありがとうございました!

左から 篠原裕幸 藤本真衣 今井崇也

Photo by Kota Hamaguchi

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