つながるをつくる。株式会社グラコネつながるをつくる。株式会社グラコネ

勝手にGracone対談

勝手にGracone対談

秋好陽介

ランサーズ株式会社 代表取締役CEO

1981年大阪府生まれ。大学時代、インターネットビジネスを起こしたのち、2005年にニフティ株式会社に入社。インターネットサービスの企画、開発を担当する。この間、個人事業主と企業のマッチングサービスを発案し、2008年4月リート(現・ランサーズ)を創業。同年12月から日本初のクラウドソーシングサービス『Lancers(ランサーズ)』の提供を開始。同サービスはクラウドソーシング事業の国内パイオニアであるとともに国内最大規模を誇る。好きな場所に住み、好きな時間に働ける「時間と場所にとらわれない新しい働き方」の創出を行う。

山﨑敦義

1973年生まれ。20歳で中古車販売業を起業後、複数の事業起ち上げを行う。2011年に株式会社TBMを設立し石灰石からつくる革新的新素材『LIMEX(ライメックス)』を開発。現、株式会社TBM 代表取締役社長。TBMはTimes Bridge Management の略で、同社の理念である「時代の懸け橋となる企業」を表している。2014年ニッポン新事業創出大賞「復興賞」、Job Creation 2015「特別賞」、Japan Venture Awards 2016「東日本大震災復興賞」受賞。

日本に新風を巻き起こしてきた二人が次に目指す新たな価値とは?

藤本真衣

今日の『勝手にグラコネ対談』では、日本初・日本最大のクラウドソーシングサービス「Lancers」の発起人である秋好陽介さんと、紙やプラスチックの代替素材「LIMEX」で循環型イノベーションを起こす山﨑敦義さんをグラコネします。 世界を見据えた挑戦を続け、新たな価値を創りだす活躍ぶりに目が離せないお二人のパーソナルな部分にグラコネならではの視点でグイグイ迫ってみたいと思います。それではグラコネスタート!

秋好陽介

日本で未開発だったクラウドソーシングを開拓しようと8年前に「Lancers」を起ちあげました。あの頃はクラウドソーシングという言葉自体がなかったですね。僕は元来がエンジニアなので、僕に出来ることで日本の働き方を変えられればと思い、挑戦しました。

「Lancers」でアクティブに動いている人が多く、この春には仕事のやりとりが100万案件を突破しました。クラウドソーシングは働き方を変える可能性を秘めていると信じやってきたので、非常に嬉しく思っています。

藤本真衣

「Lancers」は、クラウドソーシングという側面だけでなく、様々な仕事の在り方を生みだしていますよね。

秋好

ええ。個人ユーザーが「Lancers」を通して培った仕事の能力やデータベースを利用して、企業向けにコンサルティングをしたり、アウトソーシングや今トレンドであるデジタルマーケティングなど、様々な提案も行っています。

藤本真衣

まさに“繋がる”を生みだし、世に広めているんですね。グラコネも同じテーマなので、すごく興味が湧きます。

藤本真衣

日本初の試みですから様々な壁をクリアしなければならなかったと思いますが、起ち上げから振り返ってもっとも苦労されたことはどういった点でしょう?

秋好

依頼する側の企業に、初めてのクラウドソーシングを理解してもらうということですね。企業が個人に仕事を頼むというのはリスクもあることですし、それが更にインターネットの中という顔の見えない人に大切な仕事を発注するのですから、実績を作るまでが大変でした。今は時代としてあたり前に感じますが、企業側からすると前例のないことへの挑戦は、かなり勇気がいることだったと思います。

山﨑敦義

僕が今の事業に着手し始めたのが8年前で、実はその頃、「Lancers」を利用させてもらいました。他にこんなサービスなかったし、もちろん僕も初めてクラウドソーシングを利用したんですが、この仕事は伸びるなと思いましたね(笑)

藤本真衣

お二人は深層部分で繋がっていたんですね。今日はもっと繋がるを見つけていきたいです。
山﨑さんの事業についてもお聞かせください。

山﨑

僕は「LIMEX(ライメックス)」という石灰石を使った素材を世に広める仕事をしています。「LIMEX」は、紙にもプラスチックにも生まれ変わる新素材で、原料となる石灰石は天然資源の乏しい日本も含めて地球上に無尽蔵にあり、かつ高効率でリサイクル可能な地球にやさしい素材となります。

藤本真衣

「LIMEX」は純粋に石灰石のみを使って作られるのですか?

山﨑

そうです。原料に木材チップやケナフなどを一切使用せず、石灰石から抽出した無機鉱物粉末から作られます。大量の水を使用し、多くの木を伐採して製造する紙であったり、石油から生まれるプラスチックとは違い、とてもエコロジーな素材。どこにでも抱負にある資源だからこそ、地球環境の未来を変えることができると僕は考えています

繋がると言えば、二人の共通点が関西人ということも

藤本真衣

私もそうですが、お二人とも関西出身なんですよね。

秋好

そうなんですよ。元々僕は大阪でフリーランスをやっていて、東京の会社から仕事を依頼される形で仕事をしていました。担当者とは会ったことはもちろん、電話で話したこともなかったんですよ。こうした安くて速くてスマートなフリーランスの働き方ってワクワクするし、最高だなと思ったのも「Lancers」を起ちあげるきっかけになりました。

山﨑

僕は話し方からもうわかる、バリバリの関西人ですね。始めは関西で中古車販売の事業をやっていたんですけど、石灰石を成分にしたストーンペーパーという新しい資源の可能性と出会い、日本でやっている会社がなかったんで僕がやらなきゃと思いスタートしました。最初は日本より世界の方、特にアジアの企業からの期待が大きかったですね。水に困ったり、紙が貴重なものであるという意識が日本は他国に比べて薄いんですよ。理解してもらえないことがどうしても多かった。それでもこの事業が成功すればとんでもないことになると突き抜けて応援してくれる人もいて、そうした人々に支えられているという思いが、これまで、そして今の自分を動かしていますね。

秋好

仲間という存在ってとても大切ですよね。僕の会社は起業から3年過ぎてから社員を採るようになったんですけど、気持ちを共有できる人間が周りにいるっていうのは、やはり心強いです。

お二人とも東日本大震災の復興に力を入れていますよね

藤本真衣

秋好さんは宮城県女川町の活動人口を増やす取り組みを行っていて、山﨑さんは震災に合われた方を積極的に雇用することで、Japan Venture Awards 2016の「東日本大震災復興賞」を受賞されていますよね。

秋好

宮城県女川町は、震災で甚大な被害を受けて、新しい町へと生まれ変わる必要があったんです。そこで、新しい町の暮らし方を提案しようと、女川町に移住してフリーランスの仕事をする「勝手にフリーランス特区」というプロジェクトを開始しました。国に許可をとるのは難しいし、時間もかかるので「勝手に」がついています(笑) 「Lancers」の理念である場所と時間を選ばない働き方を提案という点でも合致していますし、東京に住んでいて田舎がない人だとか、自然の中で働きたいといった人に人気があるんですよ。

山﨑

日本はもちろん、世界に向けて展開していきたい新素材なんで、それを震災のあった地の新たな自信にもしてもらえればという気持ちでやっています。宮城県の白石蔵王という新幹線の停車駅に工場をつくり、現地雇用を積極的に行っているんですが、働く人たちも世界に向けての大きなチャレンジだし、とても意義のあることだと、やる気をもって働いてもらってます。また、新しく仙台港のある宮城県多賀城市にも工場をつくり、100人規模での雇用を予定しています。東日本大震災復興賞をもらったのは、この先10年、20年かけて復興に貢献しろよという意味で捉えているので、支援についてはまだまだという気持ちです。

良い繋がりをつくることに対してお二人が気をつけていることは?

藤本真衣

インターネットを通じて実は繋がりがあったと先ほどお話にも出ましたが、ビジネスを行う上で人と人の繋がりはとても大切なことだと思います。

お二人は「つながりをつくる」ということに対してどのようにお考えですか?

秋好

繋がるということは、決して対面するということだけじゃないという前提で、やはり出会いというのはとても大切だと感覚的に思いますね。事業の成り立ちを振り返るとキーとなってきた人たちがいて、自分の思いや考え方に賛同してくれて、協力してくれました。その人たちとの出会いがなければ今の僕はなかったと思います。

山﨑

僕は性分的に人と会うのが大好きです(笑)

自分のやりたいことを真剣に言い続ければ、必ずそれを応援してくれる人が現れることを知っていますしね。紙の世界は僕にとって畑違いでしたから、この事業に関してもありとあらゆるプロに根掘り葉掘り聞いて回りましたよ。人と人の繋がりは、どんな事業でも欠かせないものだと思いますよ。すごく大事にしています。

世界を視野に入れたお二人の今後の活動についてお聞かせください

秋好

「Lancers」の世界視野として、現時点ではフィリピンに子会社を設立し、そこを拠点にした事業展開を行っています。例えば、すごく抽象的ですけど、僕がやりたいことはカラオケです。日本発祥のカラオケをアジアの国々で見ることができるじゃないですか。カラオケは知ってるけど、誰が始めたか世界の人々は知らない。それくらいグローバルでスタンダードな存在に「Lancers」を育てていきたいと考えています。

山﨑

自分たちの携わったものが世界のスタンダードになることって夢ですね。その為には、自分が世界からという視点を持って、本当に世界のためになることを目指していかないと。今すぐやれることは限られていて、将来的にやっていかなければいけないことは山積みなんですけれども、そうした判断軸を置きながら、一歩一歩やるしかない。 先人たちが組み上げてきた世界からの日本の信頼って、本当に凄いことなんですよ。それを裏切らないように、そして更に上回っていけるように頑張っていきたいですね。

藤本真衣

本日はありがとうございました!繋がるを大切にするお二人の夢が世界につながっていけば、本当にみんながハッピーになれそうですね。本日はありがとうございました!

左から 秋好陽介 藤本真衣 山﨑敦義

Photo by Aaru Takahashi

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