つながるをつくる。株式会社グラコネつながるをつくる。株式会社グラコネ

勝手にGracone対談

勝手にGracone対談

土屋一昭

Kazuaki Tsuchiya

幼少期より豊かな自然に囲まれ育ち、「ヤマメを素手で採る野生児」として数多くのメディアに取上げられ話題に。社会に出てからは都内の蕎麦店に勤務しながら、愛する奥多摩や青梅で釣りガイドなど行っていたが、自然と人との距離、現代の食との係わり合いに疑問を抱き、自然の魅力を訴える業へ転進。2011年、東京都青梅市の御岳にある築150年の古民家を拠点に「森の演出家」の第一人者としての事業を開始。古き良き日本文化と自然体験を行うサービスを提供してきた。自然と共に生きる彼の姿は話題となり、現在はTVや雑誌などのメディア出演や大使館・自治体からの依頼で全国各地を飛び回っている。2013年より「森育」「食育」「人育」をテーマにした森の演出家事業の本格的な準備に入り、その動向に各界からの注目が集まっている。

上原大祐

Daisuke Uehara

元アイススレッジホッケー日本代表。バンクーバーパラリンピック銀メダリスト。2006年トリノパラリンピックで初の日本代表として選出された。2010年バンクーバーパラリンピックでは、準決勝のカナダ戦で価千金の決勝ゴールを決め、銀メダル獲得に貢献。2012-2013シーズンは、アメリカ・フィラデルフィアのPhiladelphia Flyers Sled Hockey Teamに在籍。シーズンMVP獲得。アイススレッジホッケーやパラスポーツを障害の有無に関わらず誰もが楽しめるスポーツであること、その魅力を伝えるために「知ってもらう・見てもらう・体験してもらう」を意識して競技の普及活動に尽力。選手引退後、NPO法人D-SHiPS32理事長、長野県東御市に誰もが楽しめる村づくり「きっかける103」プロジェクト設立など、活動の幅を広げている。

幼少期に覚えた教育への違和感、それを変えるために奮闘

藤本真衣

今日の『勝手にグラコネ対談』では、東京・青梅市にある築150年の古民家で暮らし、「森の演出家」としてネイチャーガイドや講演会などを精力的に行っている土屋一昭さんと、アイススレッジホッケープレーヤー銀メダリストで、障碍を持つ子どもたちのためのキッズキャンプや健常者を含めた競技普及活動を行っている上原大祐さんをグラコネします。 お二人に共通するキーワードは、古民家と自然体験。そして教育です。
お二人を奮い立たせる原点とは何か?どんな未来を見つめているのか?しっかりと探っていきたいと思います。
それではよろしくお願いします!

土屋一昭

子どもの頃、僕は発達障碍の可能性を抱えていて、学校や病院の先生たちにアレはやっちゃいけない、コレはやっちゃいけないって言われて育ったんです。それでも親が自然の治癒力を信じていて、大自然の中で遊ぶのをゆるしてくれていたんです。ファミコン全盛期に、僕は山の中を駆け回っていました。 高校の頃は、ホルモンバランスに問題のある病気のせいで、ほとんど目が見えない状態でした。そんな中、益田由美さん(元フジテレビアナウンサー)の「晴れたらイイねッ」という番組が近所に収録にやってきて、その番組中に渓流のヤマメを手づかみで獲ったんです。それから益田さんに命名してもらった「野生児」と呼ばれるようになり、メディアに注目されたんです。

土屋

それが僕の原点ですね。今は古民家を改装して、都会のお疲れサラリーマンや子どもたちに森林セラピーや食育なんかをテーマに自然の素晴らしさを伝えています。

上原大祐

僕も古民家を中心に、長野で障碍を持った人と健常者が一緒に自然を体験できるユニバーサルビレッジをやっています。ご覧の通り、僕は足に障碍を持っています。だから、経験者として障碍者が自然を体験することの難しさを良く知っているんです。同じように障碍を持つ子どもたちに、自然の素晴らしさを知ってもらいたい。その思いが、今の僕の原動力となっています。

藤本真衣

小学生の頃、自閉症のお友達と仲良くなったんですけど、その子たちは、運動会に出られないって言われたんです。その時の先生や周囲の大人たちにすごく違和感を覚えました。でも、どうしてって疑問をぶつけて、一緒に出るって行動したら、周りも動いてくれて、参加できるようになったんです。

上原

そう。きちんと疑問を持って、アクションを起こせば、みんな動いてくれる。僕たちは、子どもの頃に覚えた違和感を変えるために行動しているんです。

古民家にかける、それぞれの思い

土屋

人が住むのをやめてしまった古民家って、けっこう手がかかるんですよね。今の状態にするまで1年半くらいかかりました。でも、何でも出来るからそれが楽しい。もともとあった掘りごたつ部分を囲炉裏に改装したんですけど、これがまた味があっていい。

上原

僕も掘りごたつを囲炉裏に改装しようかと思ってるんですよ。

土屋

やっぱり古民家仲間同士、考えることは一緒ですね。灰を集めるのとかはお金がかからないですけど、耐熱とか、けっこう大変ですよ(笑)

上原

ぜひ何かコラボとかやりたいですね。今、土壁を一から作りたいって計画なんかもしています。

土屋

うちは、お風呂場を作ろうって計画をたててます。その壁を土壁で。ちょうど土壁を作る専門家の方との繋がりを持てて、夏は涼しく冬は暖かい土壁を作ろうと。ま、助成金が出たらって話ですけど。

上原

古民家って、古い教えというか、アイデアがいっぱい詰まってるんですよね。そこで良い暮らしをするためにしなければならない体験が、すべていい勉強になる。古民家は、子どもにも大人にもとてもいい教室になりますよね。 今ある古民家の近くに、あとふたつ、古民家があるんですけど、こちらも改装して、みんなに提供したい。その改装には、障碍を持つ人たちに協力してもらいたいと思っています。と、言うのも、障碍者の人たちが働きに出るのって、突然、社会の中に放り込まれる形になるんですね。それってすごく大変なことなんですよ。それを少しでも緩和することに協力したいと思っています。

2020年、日本は“おもてなし”できるのか?

藤本真衣

2020年、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。上原さんは、アイススレッジホッケーを普及させる活動もされていますが、具体的にはどんな事をしていますか?

上原

主に障碍者が行うアイススレッジホッケーですが、障碍者にできるってことは、もちろん健常者にも出来るスポーツなんですね。健常者の人は、障碍者のためのスポーツというイメージを持っていて、ほとんどの人が自分には関係ない、できないと思っているようですが、僕はその概念を取り払いたいと思っています。障害者スポーツではなく誰もが楽しめるスポーツであるという事を広めようと頑張っています。

上原

あと、アイススレッジホッケーに使う道具なんですが、これを世界でもトップクラスを誇る日本の下町の工場の技術屋さんたちに作ってもらえないかと。墨田区は鉄、カーボンは大田区と、みんながワイワイと集まってくれて、すごく盛り上がってるところです。

土屋

すごいですね。本物のメイドインジャパンである下町工場の協力があれば、向かうところ、敵無しじゃないですか。

藤本真衣

あと、ぜひとも聞きたかったのは、国際オリンピック総会(IOC)の発表で用いられ、2013年の流行語大賞にもなった『おもてなし』についてです。 例えば、東京・新宿駅には、障碍者のためのエレベーターが南口にしかありません。こんな国が『おもてなし』の国だと胸を張れるでしょうか。それでもやっぱり、障碍者の人が困っているのを助けるのには、勇気がいります。私たちが本当に『おもてなし』の国の人になるには、どう対応したらいいのでしょう。その本音を聞かせてもらいたいです。

上原

確かに。駅のガイドブックを見ても障碍者がどこをどうやって行ったらいいかなんて書いてありませんし、日本は親切な国のように思われますが、実際のところは、不便に感じることも多いです。でも、これはハード面だけを改善すればいいということではないと僕は思っています。問題はそこに階段があることではなく、そこに心がないということなんです。

藤本真衣

困っている人がいたら、声をかけてもいいものですか?

上原

障碍者の中には声をかけられて、俺に構うなって態度を取ってしまう人も確かにいます。でも、それは健常者にも同じことが言えて、それに慣れていないのが問題なんです。例えば、女性が高い所にあるものを取ろうとしていて、それを手伝うのは失礼かどうかってこと。困っている人に声をかけるのは、親切というより、当たり前のことでなくてはならないと思うんです。手伝わなくてもいいんです。まずは声をかけることから、この国は始めなくてはならないんじゃないかな。

藤本真衣

それは確かに時間のかかることかも知れないけど、お二人の頑張りも含めて、そんな社会が来てくれたらいいですね。

今回のグラコネで、二人の古民家コラボを実現して欲しい!

上原

長野の古民家で、子供たちがキノコを栽培して収穫、ママたちが料理するって活動なんかもやっていきたいと思っているんです。ぜひとも土屋さんの古民家に関わる人たちとコラボとかできたらいいですね!

土屋

田んぼやったり、干し柿やったり、あとは竹を獲ってきて竹細工つくったり。楽しいことはいっぱいありますよね。そういうのが理想なんですよ、ぜひともやりましょう!

藤本真衣

その時は、ぜひグラコネに取材させてください!今日は本当に楽しい時間をありがとうございました!

左から上原大祐 藤本真衣 土屋一昭

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